配合と同時に製法もこだわりました。
おいしいパンをつくるには...
"生地にしっかりと水を含ませじっくりと発酵を行い、しっかり焼き込む"ことが大切。
低温長時間発酵設備をもった工場でしかできない製法でパンのおいしさを追求しました。
食パンの材料がほぼ決まり、どんな同じ配合、どんな作り方にするのか試作を繰り返しました。
試作の度に科学データも出して、感覚的に感じるおいしさと数値としての理論との、比較しながらの模索でした。
- 吉水さんと奥村さんは商品が決定したあと、工場でのラインテスト、そして発売の当日、朝の食パンが工場から出荷するまですべての現場に関わられました。
- 試作でねらったことは?
- コンセプトが他社の食パンとあきらかにちがっていたので、お客様が食べたとき、その違いが伝わるようなパンであることをねらいました。主原料である小麦粉から水に至るまで、どのようしたら、それぞれの材料の特徴と調和が醸し出されるか試行錯誤を繰り返しました。
- 「朝の食パン」のもとになったものは何がヒントになったのですか?
- 「イギリスパン」を頭の中において、あのパンの生地の伸びを食パンの中で再現させたいと思い試作をした中で、思いがけずパンとはいえない失敗作ができてしまいました。それをためしに食べてみたところ、存在感があるのにサクッと軽い歯切れのよい食感だったのです。
- 最終商品を決めるまでに苦労したことは何ですか?
- 食感や風味を突き詰めていったとき、シンプルな中にも何か特長を感じる味がほしかったのですが、何をどのくらいどのように加えていくか、バランスの組み方がなかなか決まりませんでした。
試行錯誤の末配合や製法が決まり、オリジナルの乳酸菌を使うことも決まったのですが、その微妙な味の加減も納得がいかず、何度も何度も検討したのが印象に残っています。 - 商品が完成して感じたことは?
- 商品が決まり「やっとできた!」とほっとした反面、岡山工場の新しい機械を使用したときに、具体的にどのように商品ができるのか、ラインでの起こりうる想定が見えていなかったので、実は不安もありました。
"思いの商品はできても、この商品が工場で本当に再現してつくれるだろうか..."もちろん実現させなければ、という強い気持ちはありましたが、ちょっと心細い気持ちもありましたね。