石窯の原点

人類とパンの出会いは、今から約6000年前の古代中央アジア・メソポタミア地方。それまで麦は粒のまま食べられていましたが、やがて石の上ですりつぶし、粉状にしたものに水を加え薄く平たく焼かれるようになりました。

これが初期のパン"無発酵パン"です。

薄く平たい"無発酵パン"は、練った生地を加熱した石の上で直接焼いていました。その作業を効率良くするために、石に瓶(かめ)をかぶせたものが"石窯"の原点だといわれています。


石の上に、石の瓶(かめ)をかぶせると、それぞれの熱せられた石から放射される輻射熱の遠赤外線効果で効率が良くなります。
人類は、遠赤外線の働きがそれとは知らずに、昔からの生活の知恵として利用してきたようです。
その後、小麦の広がりと共にパン文化も、西アジア、古代メソポタミア、エジプト、ギリシャ、ローマ、そしてヨーロッパ全土へと広がっていきました。
石窯の歴史も、それと共により効率的に使えるよう形を変え、発展を遂げてきました。
現在の原理に至るのは、18世紀。
古代ローマ時代に大量のパンを焼くという方法がとられるようになったこのときの焼き窯の形が現在の石窯に繋がっています。