おいしさの秘密その3〜石窯で焼く〜

縦型ミキサーによる生地づくり。

独特の風味とほっくりとした甘みで人気のある甘栗が、熱い小石と共にゆっくり炒られているのは、街でよくみかける風景です。
また、中がほっくりと柔らかく仕上がっている石焼き芋も冬の定番です。
これらどちらも、熱せられた"石"から発せられる輻射熱(※1)の遠赤外線(※2)効果を利用したものです。
素材の表面や中を焦がしたりする前に、中をふっくら焼き上げています。

熱せられた"石"から出る輻射熱の中に、遠赤外線が生まれ、遠赤外線は素材の表面の皮や蛋白質、澱粉層を突き抜けしっかり熱が加わります。

石窯を使って焼く「石窯パン」は、この原理を利用した焼き方で、独特の食感と風味をもたらします。これが、「石窯は火で焼くのではなく熱で焼く窯」と言われる由縁です。

十分に熱した石窯の内部の側面、天井、床から多量の遠赤外線が放射され、素早くパンに伝わり、外へ向かって水分を保ったまま焼きあげます。だから、大きなパンも火通りよくじっくり焼きあげることができます。
石窯は単に表面を暖める直火と違い素材にしっかり火を通すことができるのです。

タカキベーカリーが導入したのは、熱したオイルで焼き床となる石板を加熱する、ドイツ生まれの現代の石窯。
石板から発生した遠赤外線を天井で反射させ、パンを包み込むように焼き上げています。
だから、大きなパンも火通りよくじっくり焼きあげることができます。石窯は単に表面を暖める直火と違い素材にしっかり火を通すことができるのです。

※1 輻射熱とは・・・
遠赤外線の熱線で直接伝わる熱のこと。
高温の個体表面から低温の個体表面に、その間の空気その他の気体の存在に関係なく直接電磁波の形で伝わる伝わり方を輻射と呼び、太陽の自然な暖かさや、薪ストーブの熱、石窯の熱などもこれに当たります。
※2 遠赤外線とは・・・
赤外線の一種で、波長が長く、人間の目には見えない光線の事。
赤外線の中では、遠赤外線が最も効率良く放射エネルギーを伝えます。